- 豆知識
注文住宅を建てる際、家相を考慮して間取りを決める方も多いでしょう。家相は、家の方角や配置によってその家の運気を判断する日本の伝統的な考え方で、日本の気候風土に基づく生活の知恵としても注目されています。しかし、注文住宅において家相のポイントや注意すべき点があります。今回の記事では、注文住宅における家相の基本になるポイントと注意すべき点について解説します。
家相とは、家の配置や方角、間取りからその家の吉凶を判断するものです。運気の良い間取りなのか、そうでない間取りなのかを見極めるための考え方です。
「根拠のない迷信では？」と思う方もいるかもしれませんが、家相は単なる迷信ではなく、日本の気候や風土を考慮した生活の知恵としてこれまで日本家屋に根付いています。現在では科学的根拠に基づいた研究も行われており、家づくりにおいて安全で暮らしやすい住まいにするために、家相の知識を入れて間取りを考えてみてください。
家の間取りを考える際、「風水」を意識する方もいるでしょう。風水も吉凶を判断する際に用いられる考えですが、家相とは異なるものです。
風水は、土地の良し悪しを判断し、その土地の自然エネルギーを活かしながら、そこで暮らす人の運気向上を目指します。自然に順応しながら生活するための知恵とも言われています。
一方、家相は家の間取りや仕様に関する考え方です。したがって、土地選びには風水を参考にし、家づくりの際には家相を参考にすることで、より良い住まいにすることができます。
注文住宅で家相を良くするためのポイントをいくつか紹介します。
・玄関は午前中に日が当たる場所へ
・キッチンは吉方位に配置
・リビングは東・東南・南が良し
・寝室は北・南東・東が吉
・家相に適した色合いを取り入れる
これらのポイントを参考に、家づくりを進めましょう。
玄関は、午前中に日が当たると吉相とされています。東側や南東側に玄関を配置することで、日の当たる明るい玄関にすることができます。ただし、敷地の西側や北側に前面道路がある場合は、鬼門（北東）や裏鬼門（南西）を避けて玄関を配置しましょう。
キッチンの吉方位は、東・東南・北西です。キッチンはエネルギーを生み出す場所で、火（陽の気）と水（陰の気）を同時に使うため、陰の気に偏ると運気が下がると言われています。そのため、キッチンは吉方位に配置するのがおすすめです。
リビングは家族が集まりやすいように配置しましょう。陽の気を取り込むため、東・東南・南に配置すると良いとされています。日当たりが良く、明るく快適に過ごすことができる空間にしましょう。リビングに溜まった陽の気は、家全体に流れ、家族全体の運気を上げる効果があります。
寝室の役割は、1日の疲れを癒し、次の日への活力を蓄えることです。吉方位は北・南東・東で、特に朝日が入る場所を選ぶと爽やかに目覚めることができるでしょう。また、寝室に鏡を置く場合は、寝る時や目覚めた時に視界に入らない場所に配置しましょう。家相では、寝室に鏡があると運気を下げると言われています。
家相は色合いにも影響を受けます。また、方位によっておすすめの色合いが異なります。例えば、東側に玄関がある場合は青系や緑系の色が良いとされ、仕事運を高める効果があります。東南にキッチンがある場合は、黄緑やオレンジが金運を上げるとされています。
適切な色を取り入れることで、開運の効果も期待できます。家の間取りを確認しながら、家相に合った色合いを採用しましょう。
家相を考慮して間取りを考える際には、以下の点に注意してください。
・玄関・キッチン・トイレは鬼門・裏鬼門に配置しない
・「張り」と「欠け」に注意
・家の中心や玄関から一直線に階段はNG
・片付けしやすい家にする
・家相にこだわりすぎない
それぞれのポイントを詳しく解説します。
玄関は人だけでなく、運気も出入りする場所です。トイレは使用頻度が高く、家の中で最も不浄な場所とされ、また、キッチンも不浄な場所とされています。これらの場所を鬼門・裏鬼門に配置しないよう注意が必要です。
鬼門・裏鬼門は鬼の出入り口とされ、ここに玄関やトイレ、キッチンを配置すると、家の運気が下がると考えられています。特に玄関が鬼門・裏鬼門にあると、家に災いを招き入れてしまう恐れがあるため、できるだけ避けるようにしましょう。
「張り」とは家の間取りを真上から見た時に出っ張っている部分を指し、「欠け」は欠けている部分を指します。北西・南東・南に「欠け」があると大凶とされ、北東・南西・南に「張り」があると凶相とされます。一方、北西・南東・北に「張り」があると大吉とされます。
これらの点を意識しながら間取りを考えることで、家の運気が左右されると言われています。
階段を家の中心や玄関から一直線の場所に配置するのは避けましょう。その配置は、家に入ってきた良い運気が家の中を巡らず、そのまま抜けていってしまいます。
家相では、不潔な場所には悪い運気が溜まると言われています。片付けができていない家は運気を下げる原因になるため、整理整頓を心がけましょう。間取りを考える際には、凸凹の少ない間取りや収納スペースを設け、片付けやすい家づくりを目指しましょう。隅々まで掃除が行き届くようにするのが理想的ですね。
家相を意識することは大切なことですが、あまりにもこだわりすぎてしまうとライフスタイルに合わなくなってしまい、住みづらい家になってしまう可能性があります。例えば、前面道路が西側にあるのに東や南東に玄関を配置すると、出入りが不便な家になってしまいます。
家相を気にしすぎず、住みやすさとの兼ね合いを考え、柔軟に間取りを決めていきましょう。
家相についてのポイントや注意点を解説しました。家相は家づくりにおいて参考になる考え方ですが、こだわりすぎるのも良くありません。自分の生活のしやすさを考え、柔軟に家相を取り入れるようにしましょう。
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