- 豆知識
屋根と外壁は外観の中で大きな面積を占めています。そのため、選ぶデザインや種類によって全体の雰囲気も大きく変わってきます。今回の記事では、新築に使う屋根と外壁の選び方について、そして新築でよく使われる外壁材・屋根材の種類についてお伝えします。外壁と屋根にどんな種類の材料を使うか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
まずは新築に使う外壁材や屋根材の選び方について解説していきます。
1つ目は建築予定のエリアに適した素材を選ぶことです。外壁・屋根材には様々な素材がありますが、素材によって防水性や遮音性、耐候性、耐火性などのそれぞれの特徴があります。
例えば、雪の多い地域なら、防水性に優れた金属製のサイディングや樹脂製のサイディングがおすすめです。繁華街や車通りの近い場所なら、遮音性に優れた屋根材・外壁材が良いでしょう。
2つ目はメンテナンスをしやすい素材を選ぶことです。安い外壁材を選ぶと、早いうちに劣化症状が現れてしまい新築してすぐにメンテナンス工事をしなければならなくなります。
屋根や外壁のメンテナンスには塗装や張替え・葺き替えなどがありますが、100万円以上の工事費用がかかるため、耐用年数の短い素材だと出費が大きくなります。
住み始めてからのメンテナンス工事の頻度も考えた上で素材を選ぶようにしましょう。
3つ目は色選びをする際はサンプルを確認することです。屋根・外壁の素材を決める時、カタログの写真だけではなく実際のサンプルを見て選ぶようにしましょう。サンプルを見ずに選んでしまうと、完成した時にイメージと違うように見えてしまうことがあります。これは、色には面積効果があるため、同じ色でも大きい面積と小さい面積で比較すると異なる色に見えてしまうことがあるからです。
カタログでは気に入った色でも、実際に広い面積で使うと異なって見えることがあるため、大きめのサンプルを用意してもらって確認するようにしましょう。
新築でよく使われる外壁材の種類を紹介します。
ガルバリウムとは、亜鉛とアルミ、シリコンを組み合わせた合金にガルバリウムでメッキを施した外壁材のことです。ガルバリウムのメッキを施すことで、断熱性や遮音性が高まります。耐久性は、25〜30年程度で、正しいメンテナンスをすることで40年以上も使い続けられるのです。
タイルは、粘土や無機質の原料を成形して高温で焼き上げた外壁材のことです。耐久性・耐候性が高く、吸水性も低いという特徴があります。正しく施工されていれば地震でも剥がれ落ちる心配がなく、半永久的にメンテナンスフリーで使用できます。ただ、他の外壁材よりも金額が高いため、初期費用がかかってくる点がデメリットです。しかし、タイルは丈夫ですがタイルの繋ぎ目に使う目地は10年に1度程度のメンテナンスが必要になってきます。
サイディングとは、板状の外壁材のことです。木質系・樹脂系・金属系・窯業系の4種類がありますが、窯業系サイディングが戸建て住宅では最もよく使われています。デザイン性が高く、種類も豊富なので好みの外壁材を選びやすいという特徴があります。
モルタルは、水とセメント、砂を混ぜ合わせた外壁材です。1990年以前はよく使われていましたが、最近では窯業系サイディングの方が普及しています。デザインの自由度が高く、塗装の仕方次第で様々な雰囲気を演出することが可能です。
他の外壁材にある繋ぎ目がないため美しい仕上がりになります。ただ、ひび割れしやすいデメリットがあるため、下地処理をしっかりと行い、弾性のある塗料を使ってデメリットを補わなければなりません。
下地の上にモルタルや土、専用塗料などを塗って仕上げる外壁を塗り壁といいます。土塗壁(つちぬりかべ)や漆喰壁(しっくいかべ)、洋風の塗り壁もでき、表面の模様も種類が多いのが特徴です。防火性にも優れています。
モルタルと同様、ひび割れがしやすいデメリットがありますが、最近では耐久性の高い塗り壁も増えています。
ALCは、内側に無数の気泡がある特殊な軽量コンクリート外壁材のことです。高層ビルやショッピングセンターで多く使われており、高い耐火性と防火性を有し、耐久性と防音性にも優れています。
メンテナンスをすることで、50年以上使い続けられるほど長持ちします。
続いて、新築でよく使われる屋根材の種類を解説していきます。
外壁材でも使われるガルバリウム鋼板は、屋根材としてもよく使われ、最近では屋根材の中でも特に人気が高まっています。瓦よりもはるかに軽量で、家屋への負担が少ないため、住宅の耐震性を高めることができるメリットがあります。また、繋ぎ目が少ないため、雨水が入りにくく雨漏りのリスクも避けられます。ただ、屋根材自体が薄いため、雨音が響きやすく、傷がついてサビが発生すると広がってしまうため、定期的にメンテナンスをしなければなりません。
セメントに繊維を混ぜて薄い板状にした屋根材をスレートといいます。防音性は高いですが、スレートそのものに防水性がないため、定期的に塗装をしなければなりません。形を加工しやすいため、様々なテイストに合わせやすいという特徴があります。
瓦には以下の2つの種類があります。
・セメント瓦
・粘土瓦
セメント瓦は、セメントに川砂を混ぜており、30〜40年の耐用年数があり、耐久性・耐火性に優れています。ただ、衝撃に弱くひび割れがしやすいという特徴があります。
粘土瓦は、粘土を高温で焼いて作られており、ほぼメンテナンスフリーで50年近く使用できます。防音性・断熱性にも優れていますが、初期費用が高く、重量があるため耐震性がガルバリウムよりも劣ります。
外壁材・屋根材に使うなら、ガルバリウムがおすすめです。おすすめの理由はたくさんのメリットがあるからです。
ここからは、ガルバリウム鋼板のメリットと、ガルバリウム鋼板を使う際の注意点について見ていきましょう。
まず、ガルバリウム鋼板には、以下のようなメリットがあります。
・耐久性が高い
・断熱性が高い(断熱材一体型の場合)
・軽量で地震にも強い
・シンプルでスタイリッシュ
・メンテナンス性が高い
・汚れにくい
ガルバリウム鋼板は軽量なので、既存の屋根や外壁の上に重ねて施工するカバー工法でもよく使われています。また、見た目もおしゃれでカラーバリエーションも豊富なので、様々な色を組み合わせて施工も可能です。
断熱材一体型のガルバリウム鋼板であれば、屋根や壁の断熱性能を高めることができるので、室温が外気に影響を受けにくくなるメリットがあります。
ただし、ガルバリウム鋼板には以下のようなデメリットが存在します。
・コストが少し高め
・錆や凹みに弱い
窯業系サイディングよりもコストが高めです。そのため初期費用でどのくらいかかるのかを確認してから採用するようにしましょう。また、耐久性は高いですが、傷がつくとその部分からサビが広がる可能性もあります。凹みにも弱いため、定期的に状態をチェックして傷や凹みをメンテナンスしていくことも大切です。
屋根と外壁の選び方と特徴について解説しました。屋根材・外壁材にはたくさんの種類があるので、目的に合うものを選ぶようにしましょう。
見た目のスタイリッシュさや耐久性の高さから、ガルバリウム鋼板はおすすめです。これまで解説したことを参考に、自分にとって最適な外壁材を探してみてください。
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