- 豆知識
新築の給湯器を選ぶとき、「エコキュートとエコジョーズは、結局どちらがいいの?」と迷う方は多いのではないでしょうか。
毎月の光熱費を考えるとエコキュートがよさそうですが、エコジョーズには初期費用を抑えやすいことや、お湯切れを心配せずに使えるといったメリットがあります。
そのため、単純に「電気とガスのどちらが安いか」だけで選ぶと、実際の暮らしに合わない可能性があります。
太陽光発電を設置するのか、都市ガスとLPガスのどちらを利用するのか、乾太くんやガス床暖房を採用するのかによっても、適した給湯器は変わります。
この記事では、エコキュートとエコジョーズの違いを、費用・光熱費・水圧・お湯切れ・設置場所などから分かりやすく解説します。
Contents
エコキュートとエコジョーズは、どちらも省エネ性を意識した給湯設備ですが、お湯をつくる仕組みは大きく異なります。
まずは、それぞれの基本的な違いを理解しておきましょう。
エコキュートは、電気の力で大気中の熱を集め、その熱を利用してお湯をつくるヒートポンプ給湯機です。
ダイキンによると、ヒートポンプ方式は「1」の電気エネルギーを使い、「2以上」の空気熱エネルギーを集めてお湯を沸かします。電気だけで水を温める電気温水器とは、仕組みが異なります。
つくったお湯は、屋外に設置した貯湯タンクにためておき、キッチンや浴室で使用します。
つまりエコキュートは、必要になる前にお湯を用意しておく「貯湯式」の設備です。
エコジョーズは、都市ガスまたはLPガスを使い、蛇口やシャワーを開いたときに必要な分だけお湯をつくる「瞬間式」の給湯器です。
従来型のガス給湯器では捨てていた排気熱を再利用することで、少ないガス量で効率よくお湯をつくります。
リンナイでは、従来型のガス給湯器が約80%だった給湯熱効率を、エコジョーズでは約95%まで高められると説明しています。
貯湯タンクを必要としないため、エコキュートよりもコンパクトに設置しやすいことが特徴です。
エコキュートは、省エネ性や太陽光発電との相性を重視する家庭に向いています。
ただし、すべての家庭で必ず光熱費が安くなるとは限らないため、電気料金プランやお湯の使い方まで確認する必要があります。
エコキュートは、電気だけでなく大気中の熱を利用するため、少ない電力で効率よくお湯をつくれます。
電気料金が比較的安い時間帯にまとめてお湯を沸かす設定にすれば、給湯にかかる費用を抑えやすくなります。
ただし、現在の電気料金プランは地域や電力会社によって異なります。「夜間に沸かせば必ず安い」と考えるのではなく、新築後に利用する料金プランで試算することが大切です。
太陽光発電を設置する新築では、エコキュートが有力な選択肢になります。
以前は、夜間にお湯を沸かす使い方が一般的でしたが、現在は太陽光発電の余剰電力を利用し、昼間に沸き上げる機種もあります。
「おひさまエコキュート」は、太陽光発電の余剰電力を活用するヒートポンプ給湯機として、国の補助制度でも紹介されています。
売電する電気を増やすだけでなく、発電した電気を自宅で使う「自家消費」を重視する家庭にも適しています。
キッチンをIHクッキングヒーターにして、暖房にもガスを使わない場合は、エコキュートを選ぶことでオール電化住宅にできます。
ガス契約が不要になれば、電気とガスの基本料金を二重に支払わずに済みます。
一方、乾太くんやガス床暖房、ガスコンロを使用する場合は、エコキュートを選んでもガス契約が残ります。
給湯器だけでなく、住宅全体でどのエネルギーを使うのかを決めてから比較しましょう。
エコキュートの貯湯タンクには、数百リットルの水やお湯がためられています。
断水時には、非常用取水栓からタンク内の水を取り出し、トイレや掃除などの生活用水として使える機種があります。
ただし、飲料水としての利用を前提としたものではありません。また、タンク内が高温になっていることがあるため、非常時の取り出し方を事前に確認しておく必要があります。
エコキュートはランニングコストを抑えやすい一方、初期費用や設置スペースでは負担が大きくなることがあります。
入居後に変更するのは簡単ではないため、新築の設計段階で確認しておきましょう。
エコキュートは、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの2つを設置します。
本体価格だけでなく、基礎工事、電気工事、配管工事なども必要になるため、一般的にはエコジョーズより初期費用が高くなる傾向があります。
ただし、エコキュートは国や自治体の補助制度を利用できる場合があります。
2026年の「給湯省エネ2026事業」では、対象となるエコキュートの基本補助額は1台7万円で、さらに一定の性能を満たす機種には3万円が加算されます。
補助金には対象機種、工事時期、予算などの条件があるため、契約前に最新の受付状況を確認しましょう。
エコキュートは、貯湯タンクとヒートポンプユニットを置くスペースが必要です。
狭小地や隣家との距離が近い住宅では、設置場所が限られることがあります。
敷地内に置けるかだけでなく、窓の位置、隣家との距離、通路の幅、点検スペースまで含めて検討することが大切です。
将来交換するときに、古いタンクを運び出し、新しいタンクを搬入できる経路も残しておきましょう。
エコキュートは、タンク内にためたお湯を使います。
想定以上にお湯を使うと、タンクのお湯が不足し、追加の沸き上げが必要になることがあります。
ダイキンでは、370Lを3~5人、460Lを4~7人家族の目安としていますが、適切な容量は人数だけでは決まりません。
家族のシャワー時間が長い、朝と夜の両方で入浴する、来客が多い、追いだきを頻繁に使う家庭では、余裕のある容量を検討した方がよいでしょう。
エコキュートのヒートポンプユニットは、お湯を沸かすときにファンや圧縮機が動きます。
自宅の寝室近くに設置すると、夜間や早朝に運転音が気になることがあります。隣家の寝室や窓の近くに設置すれば、近隣への配慮も必要です。
単に建物の裏側へ置くのではなく、寝室や窓の位置、音が反響しやすい壁の配置も確認しましょう。
エコジョーズは、初期費用や設置スペースを抑えたい家庭に向いています。
必要なときにお湯をつくるため、家族のお湯の使い方が一定でない家庭にも選びやすい給湯器です。
エコジョーズは貯湯タンクを必要とせず、壁掛け型の機種も多いため、エコキュートより導入費用を抑えやすい傾向があります。
ただし、給湯器本体の価格だけで判断してはいけません。
ガス配管が敷地内まで来ていない場合や、LPガス設備を新しく設置する場合には、別途工事費が必要になることがあります。
エコジョーズは排気熱を再利用するときにドレン水が発生するため、その水を流す排水工事も必要です。
エコジョーズは、蛇口を開いたときに必要な分だけお湯をつくります。
ガスと水が供給されている限り、エコキュートのようにタンク内のお湯を使い切る心配は基本的にありません。
家族の入浴時間がバラバラな家庭や、シャワーを長く使う家庭、来客が多い家庭でも使いやすい給湯器です。
ただし、キッチン、浴室、洗面台で同時にお湯を使う場合は、家族人数に合った号数を選ぶ必要があります。
エコジョーズは壁掛け型を選べるため、貯湯タンクを置くエコキュートより省スペースです。
敷地が狭い住宅や、建物と隣地境界線の間に十分な広さを確保できない住宅では、大きなメリットになります。
ただし、排気が窓や隣家へ向かないか、点検作業ができるか、ドレン排水を確保できるかといった確認は必要です。
新築でガス温水式床暖房や浴室暖房乾燥機を採用する場合は、給湯暖房機能を持つエコジョーズを選択できます。
また、乾太くんやガスコンロを採用する家庭では、給湯器もガスにまとめることで、設備計画を整理しやすくなります。
ガス料金の割引プランが用意されている地域もあるため、給湯器単体ではなく、家全体で使用するガス設備を含めて試算しましょう。
エコジョーズは使いやすい給湯器ですが、ガス料金や契約内容によってランニングコストが変わります。
特に、都市ガスとLPガスを同じ条件で考えないことが重要です。
エコジョーズは従来型のガス給湯器より効率的ですが、使用するガスの単価によって毎月の費用が変わります。
都市ガスを利用できる地域では有力な選択肢になりますが、LPガスは販売事業者や契約内容によって料金差が生じます。
エコキュートと比較するときは、「ガス給湯器だからいくら」と一括りにせず、自宅で契約する予定のガス料金を確認しましょう。
給湯器だけのためにガス契約を残す場合は、使用量が少なくても毎月の基本料金が発生します。
一方、乾太くん、ガスコンロ、床暖房なども使う場合は、給湯器をエコキュートにしてもガス契約をなくせません。
オール電化にできる家庭と、ガス設備を複数利用する家庭では、費用の考え方が異なります。
エコジョーズはガスでお湯をつくるため、太陽光発電でつくった電気を給湯へ直接利用することはできません。
太陽光発電の自家消費を増やしたい家庭では、昼間に沸き上げられるエコキュートの方が相性はよいでしょう。
反対に、太陽光発電を設置しない家庭では、この差を大きく考える必要はありません。
初期費用だけを比べると、エコジョーズが有利になりやすく、毎月の給湯費ではエコキュートが有利になりやすい傾向があります。
しかし、本当に知りたいのは「設置するときに安い方」ではなく、長く使ったときに家計の負担が少ない方ではないでしょうか。
比較するときは、本体と工事費、補助金、電気・ガスの基本料金、毎月の使用料、修理費、将来の交換費用まで含めて考える必要があります。
また、太陽光発電を設置するか、都市ガスかLPガスか、乾太くんや床暖房を使用するかによって結果は大きく変わります。
インターネット上に掲載されている一般的な光熱費だけで決めず、建築予定地の料金プランと家族の使用量で試算してもらいましょう。
一般的なエコキュートは、タンクを保護するために水道圧を減圧して使用します。
そのため、水道直圧式のガス給湯器と比べると、シャワーの勢いが弱く感じられることがあります。パナソニックも、貯湯式のエコキュートは、水道直圧式のガス給湯器よりシャワーの勢いが多少弱くなる場合があると説明しています。(パナソニックFAQ)
ただし、「エコキュートは水圧が弱い」と一律に判断するのは適切ではありません。
現在は高圧タイプやウルトラ高圧タイプがあり、パナソニックの一定の試験条件では、ウルトラ高圧タイプで毎分約17Lの流量を示しています。(住まいの設備と建材)
実際の水圧や流量は、給水元圧、配管の太さ・長さ、曲がりの数、シャワーヘッド、水栓、2階給湯などの条件でも変わります。
水圧を重視する方は、給湯器のカタログだけでなく、住宅全体の配管計画まで確認しましょう。
エコキュートは、太陽光発電を設置する家庭や、オール電化にしたい家庭に向いています。
毎月の給湯費を抑えたい方、タンクを置くスペースを確保できる方、家族のお湯の使用量がある程度決まっている家庭にも選びやすい設備です。
特に、日中の太陽光発電を給湯に活用したい場合は、昼間沸き上げに対応する機種や、おひさまエコキュートを検討する価値があります。
ただし、お湯を大量に使う家庭では、家族人数だけでタンク容量を決めず、シャワーや入浴の習慣まで伝えましょう。
エコジョーズは、初期費用を抑えたい家庭や、貯湯タンクを置くスペースがない家庭に向いています。
お湯切れを気にせず使いたい方、シャワーの勢いを重視する方、家族の入浴時間が不規則な家庭にも適しています。
都市ガスを利用でき、ガス床暖房、乾太くん、ガスコンロなどを採用する場合は、エコジョーズを含めたガス中心の設備計画も有力です。
LPガス地域では、契約する事業者の料金を確認したうえで、エコキュートと比較しましょう。
エコキュートとエコジョーズのどちらを選ぶ場合でも、給湯器の性能だけでは快適さは決まりません。
給湯器からキッチン、洗面台、浴室までの配管が長いと、蛇口を開けてからお湯が届くまで時間がかかります。
新築の打ち合わせでは、次の内容を確認しましょう。
・太陽光発電を設置するか
・都市ガスとLPガスのどちらを利用するか
・乾太くんやガス床暖房を採用するか
・家族が一日に使うお湯の量
・キッチンと浴室を同時に使うことがあるか
・シャワーに求める水圧
・給湯器を設置する場所
・寝室や隣家への運転音の影響
・給湯器から水回りまでの配管距離
・点検や交換に必要なスペースと搬入経路
給湯器を間取りが完成してから選ぶのではなく、水回りの配置や設備計画と一緒に検討することが大切です。
エコキュートとエコジョーズには、それぞれ異なるメリットがあります。
太陽光発電との相性や毎月の給湯費、オール電化を重視するなら、エコキュートが有力です。
初期費用、省スペース、お湯切れの少なさ、シャワーの水圧、ガス式床暖房や乾太くんとの組み合わせを重視するなら、エコジョーズが選びやすいでしょう。
ただし、どちらが得になるかは、家族人数だけでは決まりません。
太陽光発電の有無、都市ガスかLPガスか、使用する住宅設備、お湯の使用量、設置スペースまで含めて比較する必要があります。
給湯器は毎日使い続ける設備です。機器の価格だけで決めず、10年先の暮らしや交換まで考え、自分たちの生活に合った方を選びましょう。
私たちぽんたのいえは、「ただ家が売れればいい」とは思っていません。
創業は 1958 年、半世紀を超えて地元東三河の公共事業を担ってきました。
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