多くの方は住宅を購入する資金を捻出する方法として住宅ローンの融資を利用します。この住宅ローンの審査に通過できず、金融機関からの融資を受けることができない場合、住宅を購入することができないということになります。住宅ローンには審査が3つあり、それらの審査に全て通過することで融資が実行され、住宅を購入することができます。そこで今回の記事では、住宅ローンの事前審査を受ける前にやるべき3つの注意点についてお伝えします。
住宅ローンの審査は3つあります。
・事前審査
・本審査
・実行前審査
一つずつ解説していきます。
まず、住宅ローンを申し込む際には事前審査を通過している必要があります。事前審査とは、その名の通り、本審査を受ける前、事前に融資が可能かどうかを判断する審査です。
事前審査と言いましても、その効力は最終的に融資が実行されるまで使用されることになるため、安易に出して良い審査ではありません。信用情報機関(JICC、CIC、KSC)には事前審査の申し込みをした履歴が一定期間、申込者の信用情報に登録されることになります。金融機関は事前審査をする情報の一つに信用情報機関を調査する項目があり、仮に複数の金融機関に事前審査を出した場合、その履歴が残っており、3つ以上の金融機関に短期間で申し込みをしていることがわかると、無条件で通過できないという判断をされてしまいます。
本審査は、正式に住宅ローンを申し込む際に行う審査になります。この時点では、住宅会社を決め、間取りや仕様、設備を大方決定している状態になります。
この本審査では、事前審査の情報から変化した点が無いのかを確認しますが、事前審査よりも厳密に審査をするため、申込者の状態によっては申告書類だけではなく、他にも提出する書類を求められたり、金融機関の担当者よりヒヤリングを受ける場合があります。
実行前審査はこれまで述べたような書類の提出等を求められる審査とは違い、
・建物が設計図書通りに施工されているか?
・審査基準に該当する項目に変化がないか?
このような申込者の状態を見ています。
例えば、事前審査や本審査の時点で勤めていた会社を実行前審査の時点では転職していたとします。その場合、以前の勤務先よりも年収が高くなっていたとしても、勤続年数1年以上(フラットの場合は3ヶ月以上)という審査基準をクリアできないと判断され、建物が完成しているにも関わらず融資を実行してもらうことができなくなります(新築した建物を購入できないということになります)。
このように住宅ローンの審査には事前審査から始まり、実行するまでの期間に、審査基準に該当する項目に変化が出るようなことは避けなければなりません。
これまで述べてきたように本審査や実行前審査を受けるためには事前審査を通過しなければ、そこに辿り着くことはなく融資を受けることができないということになり、住宅を購入する資金を調達することができません。
そこで住宅ローンの事前審査を申し込む前にやるべきことは以下の通りです。
・審査基準をクリアすること
・返済比率を計算しておくこと
・信頼できる住宅会社を探しておくこと
一つずつ解説していきます。
事前審査の審査基準は以下の5つになります。
・年齢(20歳以上80歳未満)
・勤務先
・勤続年数(勤続1年以上)
・年収
・借り入れ状況
他にも
・健康面によって団体信用生命保険に加入できる方
・申込者が建築する建物に居住するかどうか
・完済時の年齢制限(80歳未満)
このような審査があります(金融機関によって基準の違いはあります)。
まずは審査基準をクリアすることを目標にしてください。
例えば、勤務年数が1年未満である方(申し込みがフラットではない場合)は、基準の1年以上になるまで申し込みを控えてください。他にも借り入れに対する返済状況が遅延・延滞している場合は審査に通過することはできないので申し込みを控えましょう。
審査基準に該当する年収と借り入れ状況は大きく関わっています。
年収の審査には、希望の融資額により算出される返済額において、金融機関によって決められた基準をクリアできているかどうかを審査します。仮に年収に対する返済の割合が基準を下回る場合、融資額を減額される可能性があります。この年収に対する返済の割合のことを返済比率と言います。
次に借り入れ状況ですが、これは先ほど述べたように返済を遅延・延滞している場合、その時点では審査に通過することができないため、申し込みは控えましょう。
借り入れ状況の審査は、先ほどの返済比率と大きく関係してきます。例えば、以下のような借り入れがあるとします。
・カーローン(毎月5万円の返済)
・スマホの返済(毎月2,000円の返済)
・ショッピングローンの返済(毎月2万円の返済)
上記の借り入れがある場合、返済比率を算出する返済割合に加算されるため、年収によっては希望の融資額から減額される恐れがあります。
仮に年収400万円の方の場合、年間で返済できる金額を35%までと多くの金融機関では設定されています。この場合、年間140万円、月々にすると116,000円ほどになります。しかし先ほどの返済を合計すると毎月72,000円になり、月々の返済額の上限から差し引くと、残りは44,000円になります。この場合、土地と建物を購入して新築を計画している方にとっては希望の融資額に届かず、減額されることになります。
事前審査に通過できない、もしくは融資額を減額されてしまう方の多くは、年収と借り入れ状況とのバランスが悪いことが原因であるため、事前に自分の状態を確認し、融資を受ける最適な状態にしておく必要があります。
事前に準備するべきことをお伝えしましたが、住宅ローンのことは専門的な内容であるため、自分だけで準備することは難しいと言えます。そのため、あなたをサポートしてくれる存在を探してください。
住宅の購入は一生に一度と言われるほど高額な買い物になるので、失敗しても買い直しはできませんし、間違った住宅ローンの受け方をしてしまうと、返済が負担になるだけではなく、返済自体ができなくなってしまう住宅ローン破綻になる可能性があります。
そのため、信頼できる住宅会社を探し、住宅ローンについてサポートしてもらいましょう。
住宅ローンは最適な状態で審査を受けるだけで、結果は大きく変わります。
無理なく安心して返済できるように住宅会社の担当者にプランニングしてもらうことが最も大切なことだと考えます。
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