住宅ローンの融資と転職のタイミング【動画あり】

新築の予算を捻出する方法として、多くの方が「住宅ローン」を利用します。金融機関の融資は、短期で借入をするよりも長期で借入をする方が審査は厳しく、住宅ローンはその中で最も長い返済期間の長期借入金になります（金融機関では一年以内に返済する融資を短期借入金、返済期間が一年を超える場合、長期借入金と呼びます）。今回の記事では、住宅ローンの融資と転職のタイミングについてお伝えします。

住宅ローンの審査基準

住宅ローンの審査基準は大きく5つに分かれています。
・年齢
・勤務先
・勤続年数
・年収
・借入状況
この5つの審査基準の中で、「転職」と関係する項目は3つあります。
それは、
・勤務先
・勤続年数
・年収
基本的に住宅ローンの融資を受けるためには、「勤続1年以上」という基準があります（住宅金融支援機構には勤続年数の審査基準はありません）。ということは、建築前に転職してしまった場合、住宅ローンを利用することはできなくなってしまうのでしょうか？これを様々な視点から「転職」しても可能なのかどうかを見ていきましょう。

転職して年収が上がる場合はどうか？

審査基準には「年収」という項目があります。これは住宅ローンの年収に対する年間返済額の割合を示した「返済比率」によって審査をしていきます。年収が高くなればなるほど、返済比率の割合は高くなり、融資額も高く設定することができます（年収が400万円、返済比率が35％の場合、年収400万円×返済比率35%＝年間の返済額の上限120万円となります）。
では「転職して年収が上がった」という方は、勤続年数は1年未満になりますが、年収は以前よりも上がっています。その場合はどうなるのでしょうか？結果はNOです。年収が上がったとしても、勤続年数が1年以内では審査を受けることができません。

転職した先が同業種であった場合はどうか？

先ほどの「転職して年収が上がった」に加えて「転職先が同業種である場合」はどうでしょうか？同業種であれば職務も似ており、キャリアアップのよる転職になります。しかし、結果はNOです。例え転職がキャリアアップだとしても、勤続年数1年未満は審査を受けることはできません。

グループ企業への転属

親会社、子会社、関連会社など関係性のあるグループ企業への転属の場合はどうでしょうか？グループ会社と言っても勤務年数は1年未満になります。しかし、このケースは事前審査を出す金融機関の考え方によって変わります。この場合、親会社に転属するのか、子会社に転属するのか、転属後の役職は何か？年収は上がるのか？など、勤続年数だけではなく、他の審査項目（勤務先、年収）と重ねて考えていかなければなりません。この場合は、事前審査に出す前に、金融機関の担当者へ「こういう場合には、審査は受けられるか？」と確認をしてから進めた方が良いですね。

転職しても審査を通過できるケース

基本的には転職してすぐに事前審査を受けることはできません。しかし、勤続年数だけを見るのではなく勤務先や年収を考慮した結果、審査に通過できることもあります。例えば、転職先が上場企業で、その転職先のメインバンクがメガバンクで、そのメガバンクに事前審査を出すことで、勤続1年未満でも審査に通過できる可能性はあります。

計画性が最も大切なこと

新築を建てると決め、住宅ローンの融資を受ける場合、新築を建てるためにどのように考え、行動してきたのかという「計画性」が最も大切なことです。金融機関からすると、計画性のない突発的な行動を取る方は、計画的に準備してきた方と比較すると、信用性を低く捉えられてしまいます。新築を建てるという目的のために、審査基準を調査し、そのために必要な信用情報を積み重ねるといった行動が金融機関にとってプラスに作用します。しかし、計画するには知識と経験が必要です。建物だけではなく予算や予算の捻出方法など、家づくりをトータルでサポートしてくれる住宅会社を探すことから進めてみてはいかがでしょうか？

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